Hiroshi Takagi

名古屋大学 特任助教

近年、酒米の供給不足と価格高騰により、日本酒産業が危機的状況に瀕している。しかし、地球温暖化の影響で、酒米の品質劣化に歯止めがかからない。そこで、私たちは酒米の中で最も人気の高い品種「山田錦」の開花を早める研究開発を行っている。現状の山田錦は開花が遅い晩生(おくて)の品種であり、寒さが厳しい北部地域での栽培には適していない。そこで、開花時期を早め、山田錦の栽培地を北海道まで拡大することを狙っている。私たちは最近、開花を制御する細胞から核を取り出し、遺伝子発現を調査することで、新規の開花制御遺伝子を単離することに成功した。この技術を酒米に応用することで、早生(わせ)の山田錦の作出を目指す。